本学工学部情報工学科の学生の皆さんへ、講義の補足説明と研究室の特徴について紹介します。
講義の補足説明
Supplemental Explanations
情報工学科で開講されている次の講義(2年生・3年生科目)の補足説明ページを準備しました。
講義で説明しきれない、より発展的な内容も含んでいます。
- 【更新中】データ構造とアルゴリズム(開講期:2年生春学期)
- 人工知能(開講期:3年生秋学期)
- 【作成中】システム工学(開講期:3年生秋学期)
※各講義ページ閲覧用パスワード(受講生対象)は授業中にお知らせします。
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片山研究室の特徴
Features of the Laboratory
ニュースなどで「人工知能」や「AI」のワードをよく耳にするようになりました。これらの知的なシステムや技術は、私たちの日常をサポートし、その重要性は今後も益々高まっていくでしょう。片山研究室では、様々な現実問題をコンピュータ内部で扱えるようにモデル化することで、高品質な結果・ソリューションを効率的に得ることのできる知的なアルゴリズム・システムの設計・開発に関する研究を行っています。特に計算知能、機械学習、最適化に重きを置き、その基礎的な研究から現実問題を扱う応用研究まで幅広く適用できる汎用的なアルゴリズム・システムの研究を進めています。具体的なアルゴリズムやアプローチ、対象問題などについては「 研究 」のページで紹介しているので、参考にしてみてください。
基礎的な研究はとても重要ですが、将来社会で活躍する情報エンジニアになるためには、論理的思考、問題発見力、問題解決能力、コミュニケーション能力などの重要性を認識した上で、実社会とのつながりを意識しながら研究を進めてもらいたいと思っています。そのようなことから、片山研究室の応用研究では、社会的に解決が求められている身近な現実問題を取り上げ、社会に貢献する視点で高品質に問題解決するアルゴリズム・システムの設計・開発を行い、得られる結果の有用性を現実的な視点で評価できる能力の育成に重点を置いています。加えて、以下の汎用的・重要な基礎能力の育成に力を入れています。
伸ばせる能力・身に付く能力について
プログラミング能力
片山研究室で対象とする研究の多くは、ソフトウェアに関係することから、アルゴリズム・プログラミング能力を大きく伸ばすことができます。3年生秋学期の配属決定後から複数のプログラミング言語に触れる機会を設け、4年生での卒業研究を通して、まとまったプログラム・システムの設計・開発・評価を行い、実力を付けていきます。
プレゼン・文章能力
プレゼンテーションや文章を書く能力は社会において特に重要なものと考えています。4年生春学期は課題発表のゼミを通してプレゼン能力を伸ばし、秋学期は本格的な卒業研究の活動(アブストラクト・卒業論文の作成・発表練習を含む)を通して、文章能力の向上と共に、様々な場面で有用なプレゼンテクニックなども時間をかけて丁寧に指導します。
コミュニケーション能力
プレゼン・文章能力と共にコミュニケーション能力は論理的思考のもと広く社会で必要とされており、特に情報エンジニアには必須の重要な能力となっています。片山研究室では、課題発表のゼミや卒業研究の進捗報告をはじめ、応用研究で関係する企業等との研究に関わることで、実践的なコミュニケーション能力を伸ばす機会があります。
社会においては、情報工学・コンピュータに関する知識や技術の修得はもちろん、その他各種能力(問題発見力、問題解決能力、主体性、協調性、規律性、クリエイティブな発想力、ビジネスセンスなど)も要求されます。片山研究室では、これらの能力についても研究活動を通して、より高めていきます。
Q&A : 研究活動、配属、見学、その他
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研究室ではどのような活動をするのですか?
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所属学生の継続的なスキルアップを支援するために、春学期は、進路先決定に向けた就職活動(進学活動)をしっかり行いつつ、取り組む研究キーワードに関する所定の課題とその内容を研究室でプレゼンし、プレゼン能力だけでなく研究能力もあわせて伸ばします。進路先の決定後、秋学期は、本格的に卒業研究を行い、社会で要求される能力を総合的に伸ばします。
※所属学生の研究によっては、企業・自治体との共同研究に携わる場合があり、共同研究先への訪問・見学や研究打ち合わせへの参加などの活動を行うこともあります。これらの活動によって、社会において解決が求められる実問題の理解や解決方法の検討などを通して、実践的なコミュニケーション能力や問題解決能力などを高めます。
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利用するプログラミング言語は何ですか? Pythonを使った研究はできますか?
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研究内容によって様々です。主に、Python、C、C++、Java、JavaScriptなどが多いです。
Pythonを利用する研究は片山研ではたくさん行っています。片山研究室では配属決定(3年生秋学期)以降、複数のプログラミング言語にふれる機会を設けているので、その際にPythonやその他興味のあるプログラミング言語をしっかり勉強しておくと、その後の卒業研究もスムーズに進められると思います。
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研究テーマはどのように決まりますか?
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就職先の事業内容に関係するような内容や学生の興味のわいた内容、実社会で解決が求められている内容を研究テーマとする場合が多いです。社会的に解決や効率化が求められている内容は研究として成り立つ場合が多いので、視野を広くして社会的な課題を考えたり調査すると、より相応しい研究テーマを設定できると思うので、相談してもらえればと思います。また片山研究室で継続的に進めている研究も様々あるので、それらの研究がどのようなものか、その重要性・汎用性なども踏まえて考えると、より進んだ研究テーマを設定できるかもしれません。
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実問題を扱うような研究・システム開発を行いたいですが可能ですか?
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可能です。(正確には、基礎的な勉強や基礎研究を行った上で可能です)
片山研究室では、企業・自治体などにおいて解決が求められている課題や問題を扱う研究を多く行っています。研究内容によっては企業などから実データの提供を受けたり、共同研究を通して問題解決するアルゴリズム・システムの設計・開発を行います。なお、これらの研究に携わった学生は、就職活動などの際に高い評価を受ける場合が多いです。
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どのような知識・スキルが必要ですか?
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片山研究室では、ソフトウェア・情報システムを中心とする研究を進めていることから、一般的に情報エンジニアが備えておくべきものですが、基礎的なアルゴリズムや計算量などの知識、つまり「データ構造とアルゴリズム」(学科必修科目)の授業で学習した知識は必須です。また、if文やfor文、配列などの基礎的なプログラミングの知識はもちろん、「情報数学」「人工知能」「システム工学」などで学習した内容・知識があれば、スムーズに研究を進められると思います。よって、求めている学生としては、プログラミング能力をさらに高めたいと考えている学生や、スキルとして何らかのプログラミングを(授業とは別に)実際に行った経験をもつ学生は特に歓迎します。例えば、自作のゲームやシステムなどの作成、研究等プロジェクトなどの経験です。
求めている学生
片山研究室では以下のいずれかに当てはまるような学生を求めています。
- プログラミング能力・アルゴリズム力・発想力をさらに高めたい
- 人工知能・計算知能・機械学習・最適化のいずれかに興味・関心がある
- 有用なアルゴリズムや社会に役立つ(情報)システムの設計・開発をやってみたい
- 論理的思考・プレゼンテーション能力・文章能力・コミュニケーション能力をさらに高めたい
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年間の活動スケジュールはどのような感じですか?
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情報工学科では例年11月上旬・中旬ごろに3年生の研究室訪問・配属希望調査の期間を設けており、12月上旬には研究室配属が決定します。その研究室配属決定後~4年生の卒業研究発表会・卒業までの、片山研における例年の活動スケジュールは以下のようになります。
【3年生】
12月研究室配属決定後、顔合わせを行い、早く仲良くなってもらうために自己紹介を兼ねたプレゼンを行います 翌年1月~2月 社会的マナーや就職活動に役立つ内容を手分けして調査し、みんなで情報共有するプレゼンを行います 3月 春休み(2月までにみんなで情報共有した「社会的マナー・就職活動に役立つ内容・知識」を踏まえて、就職活動または進学準備を進める) 【4年生】
4月~6月就職活動または進学準備をしっかり行いつつ(内定・進学を確定し)、卒業研究の基礎となる所定の課題やプレゼン練習を行います 6月~8月上 研究テーマを決定し、卒業研究Iの活動(研究・資料作成・発表練習など)を行い、卒業研究Iの発表会(7月下旬~8月上旬)にて研究内容について発表します 8月上~9月中 夏休み 9月中~翌年2月 卒業研究IIの活動(研究・論文作成・発表練習など)を行い、卒業論文(翌年1月下旬)をまとめ、卒業研究IIの発表会(2月上旬)にて研究成果について発表します 3月 卒業 *就職活動や内定などの時期は例年の平均的な時期として示しています。
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片山研への配属を希望しています。研究室はどのように決まるのですか?
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3年生の秋学期オリエンテーションでチューターから研究室配属の資料が配付され、その中に配属調査や配属方法の説明があります。具体的には、配属希望調査のシステムにて、希望する研究室を第1希望~第8希望まで選択します。その後、研究室の定員や希望状況に応じて配属が決定されます。
配属前に、片山研の研究内容を事前に理解しておいてもらえればと思っています。そのような機会として、授業などでの研究紹介・説明や研究室訪問などを通して片山研の研究内容に興味・関心が湧いた学生や、やってみたい研究などについて事前に相談してくれた学生、情報工学科で実施の「研究等プロジェクト」への参加学生は、配属への近道になると思います。
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研究内容に興味があります。詳しく教えてもらえますか?
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もちろんです。その興味ある研究内容を中心に説明しますので、一度、研究室に来てもらえればと思います。見学・訪問日時の調整は、直接メールしてもらっても大丈夫ですし、情工学生専用【 見学・相談の申込フォーム 】からの申込みも可能です。
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どのように研究を進めれば良いか分からず不安です。大丈夫でしょうか?
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初めての研究(卒業研究)ですので、どのようにすれば良いか不安に感じるのも無理もありません。研究内容にもよりますが、研究を行う前に基礎的な勉強や調査が必要となる場合が多いです。まず何を勉強・調査するかは、先生や先輩から、最初は指示があるので、心配しなくて大丈夫です。まずは周辺の基本の勉強・調査から始めることになりますが、そのような基本の理解のもとで、主体的に研究に取り組むことが必要です。興味を持った内容を調べたり、何が本質的な問題かを熟慮したり、解決するプログラムの作成や工夫、先生・先輩・研究室の仲間に相談やディスカッションなどを通して、より効率的で有効なものになるよう研究を進めていくことになります。
学部3年生までの、正解が事前に分かっている問題を解くのとは異なり、正解が何か?や、正解があるかどうか分からないような活動・取り組みが卒業研究です。卒業研究は、これまでの授業のような受け身の活動ではないことにも注意が必要です。社会では主体的な活動が大切ですので、卒業研究を通して実力を付けると共に、主体的な活動の進め方も身に付けてもらえればと思います。